「食べても体重が減っていく」「最近、顔色が悪い気がする」
このような変化を感じたことはありませんか?
ダイエットをしていないのに体重が落ちていく場合、ストレスが原因の「ストレス痩せ」かもしれません。
ストレスによる体重減少は、心身の不調のサインです。放っておくと、体力や免疫力が低下し、さらに不調を招くこともあります。
この記事では、ストレス痩せに見られる主な特徴や原因、放置すると危険な病気の可能性を解説します。
ストレス痩せの対処法も解説しているので、最近心身の不調を感じている方は参考にしてください。
ストレス痩せの主な特徴3つ
ここでは、ストレス痩せに見られる主な3つのサインを紹介します。
1:食欲がなくなる、または食べても太らない

ストレス痩せで最も多く見られるのが、食欲の変化です。
強いストレスを受けると、自律神経のバランスが崩れ、胃や腸の働きが弱まります。
その結果、食欲が落ちたり、食べても栄養をうまく吸収できなくなったりします。
「少し食べただけでお腹がいっぱいになる」「味を感じにくい」といった症状も、心身の緊張から起こる自然な反応です。
2:顔色が悪く、不健康な印象に見える

ストレスによる体重減少は、見た目にも変化が現れます。
スッキリ痩せるのではなく、やつれた印象になってしまうのが特徴です。
ストレスで食事量が減ると、血液の材料となる鉄分やたんぱく質が不足し、顔色が青白く見えることがあります。
さらに、緊張や疲労による血行不良が続くと、肌のくすみや目の下のクマも目立ちやすくなります。
3:肌や髪のトラブルが増える

肌や髪は、体の内側の健康状態を映す鏡です。
ストレスで食事が乱れると、体は生きるために必要な臓器を優先し、肌や髪への栄養供給を後回しにします。
その結果、タンパク質やビタミンが不足して、肌が乾燥したり、髪のツヤが失われたりするのです。
また、ストレスによって血行が悪くなると、頭皮にも栄養が届きにくくなり、抜け毛や白髪が増えることもあります。
ストレスで痩せる3つの原因
上記3つの原因が、それぞれどのように体に影響しているのか見ていきましょう。
1:自律神経の乱れによる消化機能の低下

ストレスを受けると、体は「緊張モード(交感神経)」が優位になります。
一方で、胃腸の働きを助ける「リラックスモード(副交感神経)」がうまく働かなくなります。
その結果、食べても消化・吸収がうまくいかず、栄養が体に取り込まれにくくなるのです。
「食べても満足感がない」「胃もたれしやすい」と感じるときは、体が常に戦闘モードのままかもしれません。
2:ストレスホルモンによる基礎代謝の上昇

ストレスを感じると、脳は体を守るために「コルチゾール」や「アドレナリン」などのストレスホルモンを分泌します。
これらは心拍数を上げ、血糖値を高めて、すぐに行動できるように体を準備させる働きがあります。
しかし、この状態が長く続くと、常にエネルギーを消費しているような状態に。
何もしていなくてもカロリーがどんどん使われてしまい、気づかないうちに体重が減っていきます。
3:睡眠不足によるエネルギー消費

悩みや不安で眠れない夜が続くと、心も体も休む時間を失います。
本来、睡眠中は体を修復し、エネルギーを蓄える大切な時間です。
ところが、眠りが浅い状態では休むどころかエネルギーを消耗し続けていることになります。
さらに、睡眠不足は自律神経のバランスを崩し、食欲や代謝にも悪影響を与えます。
「眠りが浅い」「朝スッキリしない」と感じるときは、体がストレスのせいでに疲れているサインです。
【危険】ストレス痩せに隠れている可能性のある病気
意図しない体重減少の裏には、治療が必要な病気が潜んでいることもあります。
特に、ダイエットをしていないのに半年で体重が5%以上減った場合は、早めの受診がおすすめです。
ここでは、ストレス痩せと症状が似ている代表的の病気を紹介します。
消化器系の病気

胃や腸は、栄養を吸収するための大切な器官です。
そこに炎症や潰瘍ができると、食べても栄養を取り込めなくなり、体重が減少してしまいます。
腹痛や下痢、便秘などのお腹の不調を伴うことが多く、ストレスをきっかけに悪化するケースも少なくありません。
「お腹の調子が悪い日が続く」「食後に痛みがある」と感じるときは、消化器内科での検査を検討しましょう。
甲状腺の病気

甲状腺は、体の代謝をコントロールするアクセルのような臓器です。
その働きが過剰になるバセドウ病では、体が常に全力疾走の状態になります。
そのため、食べても食べても体重が減るのが特徴です。
同時に、動悸や手の震え、汗をかきやすいといった症状も現れます。
「食欲はあるのに痩せていく」「心臓がドキドキする」などの変化がある場合は、内分泌内科などで相談してみましょう。
糖尿病

糖尿病では、血液中の糖をうまくエネルギーとして使えなくなります。
体はその代わりに、筋肉や脂肪を分解してエネルギーを作ろうとするため、体重が減っていきます。
特に、短期間で急に体重が落ちたときは注意が必要です。
「喉が渇く」「トイレが近い」「体がだるい」などの症状も見られたら、早めに内科を受診してください。
精神疾患

うつ病では、気分の落ち込みに加えて食欲がなくなることがよくあります。
「何を食べても味がしない」「食事がつらい」と感じるようになり、知らないうちに体重が落ちていくことも。
十分に休んでも気分が晴れず、体重減少が続く場合は、心療内科や精神科への相談を検討してください。
がん

原因不明の体重減少で、最も注意したいのががんです。
がん細胞は増殖のために多くの栄養を消費するため、体が痩せていきます。
特に、胃がん・大腸がん・すい臓がんなどの消化器系のがんでは、体重減少が初期症状として現れることがあります。
疲れやすさ、微熱、食欲不振などの不調が続く場合は、早めに医療機関で検査を受けましょう。
ストレス痩せの対処法4つ
ストレス痩せかもしれないと感じたら、上記4つの対処法を試してみましょう。
1:消化しやすく栄養バランスの取れた食事を心がける

ストレスで疲れた胃腸には、優しい食事が基本です。
脂っこい料理や刺激の強い食べ物は避け、おかゆ・豆腐・野菜スープなど、温かく消化のよいものを選びましょう。
タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂ることで、体の回復力が高まります。
一度にたくさん食べられないときは、少量を数回に分けて食べるのもおすすめです。
2:軽い運動で心と体をリフレッシュする

体を動かすことは、心のリセットにもつながります。
無理に激しい運動をする必要はありません。
たとえば、10分の散歩やストレッチから始めてみましょう。
太陽の光を浴びながら歩くだけでも、気分を明るくするホルモン「セロトニン」が分泌され、心が少し軽くなります。
「運動しなくては」と構えず、一駅手前で降りて歩くなど、日常に自然に取り入れてみてください。
3:質の良い睡眠を確保する

睡眠は、ストレスで乱れた体を整えるための最も大切な回復時間です。
毎日なるべく同じ時間に寝起きすることで、体内リズムが安定します。
寝る前のスマートフォンの光は脳を覚醒させてしまうため、ベッドから少し離れた場所に置くのがおすすめです。
また、「ぬるめのお風呂に浸かる」「好きな音楽を聴く」「照明を落とす」など、おやすみモードに切り替える工夫も大切です。
4:自分に合ったストレス解消法を見つける

ストレスを完全に避けることはできませんが、上手に付き合う方法は見つけられます。
「これをするとホッとする」「少し気分が楽になる」と感じることを、いくつか持っておきましょう。
また、信頼できる人に話すことも大きな助けになります。
一人で抱え込まず、気持ちを外に出すことで、心が少しずつ軽くなっていきます。
まとめ
- ・「食べても痩せる」「顔色が悪い」などの変化はストレス痩せのサイン
- ・背景には、自律神経の乱れ・ホルモンの影響・睡眠不足が関係している
- ・糖尿病・甲状腺疾患・うつ病・がんなど、病気が隠れていることもある
- ・栄養・睡眠・軽い運動・ストレス解消を整えることで回復が期待できる
- ・半年で体重が5%以上減った場合は、早めに医療機関へ相談を
ストレスによる体重減少は、心身の不調が重なって起こることがあります。
一時的な変化だと感じても、長く続く場合は注意が必要です。
「食事量を変えていないのに痩せてきた」「疲れやすい」「胃腸の調子が悪い」といった症状が見られるときは、早めに医療機関で相談してみましょう。








