「適応障害になりやすい人にはどのような特徴があるんだろう?」「自分の性格は適応障害になりやすいのかな?」と悩んでいませんか。
適応障害はその人がもつ特徴や性格によって引き起こされる場合もあるため、知っておくと回避できる場合もあります。
この記事では、適応障害になりやすい人の特徴を解説します。自分が当てはまるか気になる方はぜひ最後までご覧ください。
また、適応障害の主な症状はこちらの記事で解説していますので、ご参照ください。
適応障害になりやすい人の7つの特徴を解説!
- 1.真面目な性格
- 2.責任感が強い
- 3.周りの目が気になる
- 4.身の回りの変化に敏感
- 5.人に頼ることが苦手
- 6.頼まれごとを断れない
- 7.自分より相手を優先する
適応障害になりやすい人には、上記7つの特徴があるとされています。
当てはまる方は適応障害を発症しやすいので、気をつけましょう。
1.真面目な性格
真面目な性格は、適応障害になりやすい人の特徴をもっています。
子どもの頃から任された役割は忠実にこなし、いわゆる「いい子」とされていた人は注意が必要です。
真面目な人は手を抜いてもよい場面がわからないので、何事にも全力で取り組みます。
完璧主義なところもあり、気づかないうちにストレスを溜め込んでしまうことが多い性格です。
周りから「真面目だね」と言われたことがある人は、自分の心の声に耳を傾けてみてください。
2.責任感が強い
責任感が強い性格も、適応障害になりやすい特徴のひとつです。
特にリーダーなどの役職がある人は、その役割を全うしなければと感じてしまいます。
メンバーのミスもすべて請け負い、「指導できなかった自分の責任である」とせおってしまいがちです。
責任感が強いこと自体は悪くありません。
ただ、「こうであるべき」という思いが強いがゆえに、自分が思い描く姿になれないことに対してストレスを感じやすい性格です。
リーダーシップを発揮しながらも、周りの力も借りながら進められるようにしましょう。
3.周りの目が気になる
適応障害になりやすい人の特徴に、周りの目が気になることもあります。
自分が今周りからどう見られているかが過剰に気になってしまう性格です。
たとえば、上司と席が近いときに熱心に仕事に打ち込んでいる姿を見せなければならないと思ったり、ミスをしたときに周りからどう思われるかが極度に気になったりします。
周りの目が気になる性格の人は、周りの人は何とも思っていない場合でも、あれこれと想像してしまってどんどん落ち込んでしまいます。
結果、その環境に居づらく感じてしまい、適応障害につながってしまうのです。
実は自分が思っているより、周りは他の人のことを気にして生活していません。
もう少し自分が気楽に生きられるように、マインドを変えてみることが大切です。
4.身の回りの変化に敏感
身の回りの変化に敏感な人も、適応障害になりやすいとされています。
適応障害は、特定の強いストレスが長く続いた場合に引き起こります。
環境の変化に適応するまでがストレスに感じやすく、適応障害の発症につながるのです。
知らない人ばかりの中で行動するのが苦手な人は特にこの傾向が強いといえます。
ただ、生きていると近くにいる人や生活する土地が変わることは避けられないことです。
自分なりに無理をしないように気をつけることが適応障害の予防につながるでしょう。
5.人に頼ることが苦手
人に頼ることが苦手な人は、適応障害になりやすい特徴があります。
何か悩みごとや困りごとがあっても、周りの人に相談できず抱え込んでしまうのです。
このタイプの人は「周りも忙しそうだし…」と遠慮の気持ちから頼れない場合やプライドが邪魔をしてしまうパターンがあります。
いずれにせよ、自分だけではどうにもならないことが起きたときは、周りの力を借りなければならないときもあります。
「困ったときはお互い様」の気持ちをもって、小さなことから頼ってみるようにしてみましょう。
6.頼まれごとを断れない
頼まれごとを断れない人は、自分のキャパシティ以上にやるべきことを抱えてしまう傾向にあります。
常にタスクに追われてしまい、いっぱいいっぱいになってしまいがちです。
たとえば、やるべき仕事が山積みの状態で、同僚に「ちょっと手伝って」と言われたときどう反応するでしょうか。
多くの人は「今は手一杯だから、他の人にお願いできる?」と交渉しますが、断れない性格の人は限界でも受け入れてしまいます。
始めはなんとかできていても、常に何か匂われているストレス状態が続くことで適応障害を発症してしまうのです。
このタイプの人は、まず自分で対応できる範囲を知り、難しいときは勇気をもって断ることが大切です。
7.自分より相手を優先する
自分よりも相手を優先してしまいがちな人も、適応障害になりやすい特徴をもっています。
自分の意見を押し殺してしまうので、本当はやりたくない役回りになってしまいがちです。
それでも「相手がそれでいいのなら…」と役割を全うしようと頑張ります。
結果、ストレスが溜まってしまい、適応障害の症状に出やすいのです。
私は2017年に適応障害と診断されましたが、真面目な性格でした…!
私は2017年に適応障害と診断され、約3年間服薬治療を続けました。
当時は公立学校の教員として赴任したばかり。
4月1日から急に「教員」として見られるようになって、責任感が強い私は「教員らしくしなければ」という思いも強く持っていました。
新学期が始まってからわからないことだらけの中でしたが、周りの先生方も忙しそうにしていて質問できる空気ではありません。
真面目な私は一定のクオリティになるまで授業準備や事務作業を行って、夜遅くまでひたすら働いていました。
1年目なので当然学級経営もうまくいかず、頑張っても頑張っても成果を感じられない日々でした。
相談できない孤独感、それでもちゃんとやらなきゃという焦り、終わらない仕事。
2ヶ月ほど経った頃に、出勤できなくなってしまい、受診した結果「適応障害」と診断を受けました。
3ヶ月の休職を経てから復職しましたが、結果、約3年間服薬治療を続けることになってしまいました。
今となっては「困ったときは周りを頼って、うまく対処できていれば…」と思います。
教員は条件附採用期間中に病気を理由に離職した人のうち、精神疾患が原因の人が9割にも上るのだそうです。
真面目で責任感の強い人が多い職業だからこそ、ストレスを感じてしまいがちなのでしょう。
同じような性格をもつ人はストレスを溜めてしまいがちなので、気をつけるようにしてください。
参照:教職員のメンタルヘルス対策について(最終まとめ) |教職員のメンタルヘルス対策検討会議
適応障害になってしまう主な2つの原因についても解説…!
適応障害は、特定のストレスが長く続いたときに発症します。
ストレスが起こりやすいのは「仕事」「プライベート」の2つです。
それぞれについて詳しく解説します。
参照:日本における「適応障害」患者数の増加|池田朝彦
参照:京都大学保健管理センター・京都大学保険診療所
1.仕事【労働者の約50%が抱える悩み】
仕事でストレスを感じやすい場面は上記の通りです。
仕事は1日の大半を占めるので、ストレスを感じる場面が多ければ多いほどそれだけ適応障害につながりやすい状態といえます。
2016年に筑波研究学園都市交流協議会が行った調査によれば、特に困っていることに「仕事」を挙げた割合は1996年から約14%増加して26.3%、「職場での人間関係」を挙げた割合は1996年から約7.5%増加して19.9%となりました。
合計すると約50%近くにものぼり、労働者の半数は仕事や職場に対してストレスを感じていることがわかります。
労働環境は時代とともに変化していることから、年代によって考え方が異なることも大きく関係しているといえるでしょう。
2.プライベート【日常の些細な出来事も原因に】
プライベートでストレスを感じやすい場面は上記の通りです。
もしかしたら「失恋は誰でも経験しうることだから大したことないじゃないか」と思う人もいるのではないでしょうか。
しかし、適応できるかどうかは当事者の置かれた状況や心のキャパシティによるため、自分にとってつらい状況であれば適応障害の発症につながります。
特にプライベートの悩みは相談しづらいことが多いため、1人で抱え込んでしまって気分の落ち込みにつながることもあるのです。
また、大学進学をきっかけに適応障害を発症する人も多くいます。
京都大学では、大学の診療所に相談に来る学生の20%弱、大学院生の30%強が適応障害の診断を受けているのだそうです。
それだけ周りの環境がガラッと変わることは、ストレスに感じやすいといえます。
仕事だけでなく、プライベートでもストレスを感じやすい場面があることは押さえておくべきです。
まとめ
- ・真面目な性格や周りを優先しがちな人は適応障害になりやすい
- ・責任感の強さが関係することもある
- ・自分がストレスを感じやすい場面を知ることが重要
- ・困ったときは周りの人を頼ろう
- ・1人で抱え込まないようにしよう
この記事では、適応障害になりやすい人の特徴を解説しました。
「真面目」「責任感が強い」「優しい」とされている人は、一般的に評価が高いものの、その分ストレスを溜めやすく適応障害を発症しやすい特徴をもちます。
周りの人を頼って自分だけで悩みを抱え込まないように気をつけましょう。