第95回

【チェックリスト付き】見捨てられ不安とは?原因と5つの対処法を解説

【チェックリスト付き】見捨てられ不安とは?原因と5つの対処法を解説

人との関係で強い不安を感じ、「嫌われるかもしれない」「見捨てられるかもしれない」という思いに心を支配されてしまうことがあります。

その背景には、過去の人間関係や生まれ持った気質、幼少期の体験など、さまざまな要因が複雑に絡んでいるケースが少なくありません。

この記事では、見捨てられ不安」とは何かを解説し、セルフチェックの方法や具体的な対処法をご紹介しています。

人との関係で強い不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

「見捨てられ不安」10のセルフチェックリスト

「見捨てられ不安」10のセルフチェックリスト

「この不安は“見捨てられ不安”かもしれない」と感じる方に向けて、心や人間関係の傾向をチェックできる10項目を用意しました。

恋愛や対人関係での行動、思考や感情のクセなど、当てはまる項目がないかチェックしてみてください。

恋愛・対人関係のチェック項目5つ

恋愛・対人関係のチェック項目5つ

こうした行動は「見捨てられるくらいなら自分から…」という深い恐れのあらわれです。

愛されたい気持ちがある一方で、その関係を自ら壊すような言動をしてしまうこともあります。

相手を信じたいのに安心できないといった葛藤が、日常の中で無意識に表れているのかもしれません。

感情・思考パターンのチェック項目5つ

感情・思考パターンのチェック項目5つ

内面的な見捨てられ不安は、行動だけでなく「考え方のクセ」にもあらわれます。

人の言葉や態度に敏感になったり、自分を過小評価したりする背景には、「自分は見捨てられてしまう存在だ」という無意識の思い込みがあることが多いのです。

見捨てられ不安とは「拒絶される恐怖」に支配される心の状態のこと

見捨てられ不安とは「拒絶される恐怖」に支配される心の状態のこと

「見捨てられ不安」とは、大切な人に嫌われたり見放されたりすることに対して、過剰な恐怖や不安を感じる心の状態です。

この不安はただの寂しがり屋とは異なり、「相手の返信が遅れる」「少し冷たくされたように感じる」といった些細なことが、本人にとっては捨てられるサインに見えてしまいます。

その結果、「もう嫌われたかも」「きっと私から離れていくんだ」という考えが頭から離れなくなり、強いストレスや混乱を引き起こすことがあります。

他人から見れば些細な出来事でも、本人にとっては深刻でリアルな恐怖体験なのです。

心や体に現れる代表的な症状

心や体に現れる代表的な症状

見捨てられ不安は、心の不調だけでなく身体的な不調としても現れます。特に、人間関係でのストレスが引き金になることが多いです。

上記の症状が続く場合、ただの体調不良ではなく、見捨てられ不安に起因するストレス反応の可能性があります。

人間関係で見られる特徴的な行動

行動パターン具体例背景
試し行動・わざと冷たくする
・急に無視する
・「本当に好きなの?」と繰り返し確認する
・愛されているか確かめたい気持ち
・見捨てられる前に反応を得ようとする
自己防衛的な別れ・相手の態度が少しでも変わると「もう無理」と自分から距離を置く
・別れを切り出す
・拒絶される不安に耐えられず、傷つく前に先に関係を終わらせてしまう
束縛・依存・頻繁な連絡
・相手の行動を把握したがる
・「誰といたの?」と詰め寄る
・相手が離れていくことへの強い恐れから、相手をコントロールしようとする

見捨てられ不安を抱えている人には、上記のような無意識の行動パターンが見られることがあります。

すべて「捨てられるのが怖い」という強い気持ちからくるものです。

このような行動が出てしまうのは、「自分を守るため」の無意識の反応であり、意志の弱さや性格の問題ではありません。

まずは「こういう傾向があるのかも」と気づくことが、関係の改善につながります。

見捨てられ不安の主な4つの原因

見捨てられ不安の主な4つの原因

見捨てられ不安の背景には、過去の経験や性格的な傾向が複雑に関係していることが多くあります。

ここでは、主な原因とされる4つの要素を紹介します。

1:愛着障害

1:愛着障害

幼少期の親との関係(愛着の形成)は、安心感や自己肯定感の土台になります。

本来子どもは、親との関わりの中で「自分は愛されている」「大切にされている」と感じることで、心の安定を得るものです。

しかし、「親が過干渉・無関心だった」「情緒的なつながりが乏しかった」といった環境で育つと、安心感が十分に育たず、愛着が不安定になりやすくなります。

その結果、大人になってからも「どうせまた見捨てられる」「自分は価値のない存在だ」と感じやすく、人間関係に強い不安を抱くようになります。

(参考:思春期問題の背景にある愛着障害について|山下洋

2:境界性パーソナリティ障害

2:境界性パーソナリティ障害

見捨てられ不安が極端に強く、感情のコントロールが難しい場合、心の病気が背景にあることもあります。

そのひとつが「境界性パーソナリティ障害(BPD)」です。

特徴としては、次のようなものがあります。

【境界性パーソナリティ障害の例】

・対人関係や感情が不安定
・激しい怒りや不安を感じる
・自分を傷つける行動に出る
・「見捨てられる恐怖」を避けようと必死になる


境界性パーソナリティ障害の中核には、見捨てられることへの極度の恐れがあり、常に人間関係の不安にさらされやすい状態
が続きます。

もし日常生活に支障を感じるほどの不安がある場合は、精神科・心療内科への相談がおすすめです。

3:過去の人間関係でのつらい経験

3:過去の人間関係でのつらい経験

見捨てられ不安は、幼少期だけでなく、思春期以降の経験からも生まれます。

たとえば、「仲の良かった友人から急に無視された」「信頼していた恋人に一方的に別れを告げられた」といった出来事は、「自分が悪かったから見捨てられた」と感じやすく、深い自己否定につながります。

心の傷が残っていると、新たな人間関係でも「また裏切られるかもしれない」という不安がつきまとい、信頼関係を築くことが怖くなってしまうのです。

4:完璧主義や自己肯定感の低さなどの性格・気質

4:完璧主義や自己肯定感の低さなどの性格・気質

もともとの性格や気質が、不安を強めているケースもあります。

完璧主義や自己肯定感が低いといった傾向があると、相手の些細な態度や反応もネガティブに受け取りやすくなり、「やっぱり見捨てられるんだ」と不安が強まります。

見捨てられ不安の対処法5選

見捨てられ不安の対処法5選

少しずつでも自分の思考や行動のクセに気づき、整えていくことで、不安とのつき合い方は変えられます。

ここでは、今日からできる見捨てられ不安の対処法5つをご紹介します。

1:不安な気持ちを紙に書き出して客観視する

1:不安な気持ちを紙に書き出して客観視する

不安を感じているとき、頭の中では思考がグルグル回り、感情がどんどん膨らんでいきます。

そんなときは、ノートやメモに「何が不安なのか」「なぜ不安なのか」を書き出してみましょう。

【書き出す内容の例】

・LINEの返信が3時間来なくて不安
・嫌われたかもと感じて落ち着かない
・動悸がして、集中できない

こうして文字にするだけで、自分の状態を一歩引いた視点で見つめ直すことができます。

また、書くこと自体が、感情の整理やストレスの緩和にもつながります。

2:不安を感じる自分を否定せず受け入れる

2:不安を感じる自分を否定せず受け入れる

不安を感じたときに、自分を責めてしまう人は少なくありません。

「またこんなことで悩んでいる」「自分は弱い」といった思考が繰り返されると、それ自体が不安をさらに大きくしてしまいます。

こうしたときに大切なのは、不安を感じている自分を否定せず、受け入れてあげることです。

感情を無理に抑え込まず、その存在をそっと認めることで、心は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。

3:小さな成功体験で自己肯定感を育てる

小さな成功体験で自己肯定感を育てる

見捨てられ不安の背景には、「自分には価値がない」「愛されないかもしれない」という思い込みが隠れていることがあります。

その感覚を変えていくには、日常の中での「できた!」を積み重ねることが効果的です。

成功体験はどんなに小さなことでもOK

できたら手帳やスマホにメモして、「よくやったね」と自分で自分を褒めてみましょう。

他人からの評価ではなく、自分の中から自信を育てる練習になります。

4:相手との健全な距離感を学ぶ

4:相手との健全な距離感を学ぶ

見捨てられ不安が強いと、相手の態度や機嫌に過剰に反応してしまうことがあります。

「冷たくされたのは私のせい?」「嫌われたかも…」と不安になるのは、自他の境界が曖昧になっているサインです。

そのような状態のときは、次の考え方を意識してみましょう。

【意識したい考え方】

・相手の機嫌は、相手の問題
・自分にはコントロールできないことがある
・時には「NO」と言うことも大事

自分と相手の心のスペースを分けて考える練習をすることで、人間関係に振り回されにくくなります。

5:一人で過ごす時間を充実させる

一人で過ごす時間を充実させる

「一人でいるのが不安」「誰かがそばにいないと落ち着かない」といった感覚があると、つい相手に依存してしまい、人間関係が不安定になりがちです。

この状態を変えるためには、一人の時間をあえて心地よいものにする練習がおすすめです。

「一人で過ごせる自分」に慣れていくことで、人との距離も健康的に保てるようになります。

孤独を恐れず、自分の時間を大切にすることが、不安の軽減にもつながります。

見捨てられ不安でしんどいときは専門家の力も頼ろう

見捨てられ不安でしんどいときは専門家の力も頼ろう

見捨てられ不安が強く、日常生活にも影響が出ている場合は、セルフケアだけで抱え込まず、専門家の力を借りることも大切です。

心の不調は目に見えにくいからこそ、気づかないうちに限界を超えてしまうことがあります。

以下のような状態が続いている場合は、精神科・心療内科の受診やカウンセリングルームへの相談を検討してみましょう。

【受診を考えたほうがよいサイン】

・強い不安や落ち込みが2週間以上、ほぼ毎日続いている
・不安が原因で学校や仕事、人間関係に支障が出ている
・「もう消えてしまいたい」「自分を傷つけたい」といった思考が浮かぶ
・不安を紛らわせるために、過食・飲酒・衝動的な行動が増えている
・家族や友人に「最近ちょっと心配だよ」と言われることが増えた

専門家の力を借りることで、自分では気づけなかった視点や対処法が見つかることがあります。

セルフケアではどうにもならないときには、無理せず相談してみてください。

初めて精神科・心療内科を受診する方向け!初診の流れや聞かれることを全解説!

まとめ

まとめ

・見捨てられ不安とは、「拒絶される恐怖」に支配される心の状態のこと
・特徴的な行動や思考には、試し行動・自己否定・依存などがある
・不安の背景には、愛着障害や過去のトラウマ、性格傾向などが影響している
・対処には、自分の感情を受け止めることや人間関係の捉え方を見直すことが有効
・状態が深刻な場合は、精神科やカウンセリングなど専門家への相談も大切

見捨てられ不安は、誰にでも起こりうる心の反応であり、決して特別なものではありません。

不安に支配されている状態から抜け出すには、まずその存在に気づき、「こういう傾向があるのかもしれない」と自分を理解することが大切です。

セルフケアで整えられる部分もありますが、つらさが長く続くようであれば、専門家のサポートを受けることで回復の糸口が見つかることもあります。

つらいときには、無理せず精神科・心療内科やカウンセリングルームを頼ってみてください。

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