第31回

うつ病の5つの症状についてわかりやすく解説!効果的な対処法は?

「毎日なんとなく気分がすぐれないけど、うつ病なのかな…」と不安に思っていませんか?

うつ病は、日常生活に支障をきたすほどの気分の落ち込みが続き、食欲が出ないなどの身体症状も合わせて現れる心の病気です。

よく言われる「気持ちの持ちよう」で治る病気ではありません。放っておくと興味や喜びをすべて失ってしまい、自分の存在自体を疑うようになってしまいます。

この記事では、気分の落ち込みが続いている方に向けて、うつ病の5つの症状とその対処法について解説しています。

「自分にあてはまるかもしれない」と思ったら、早めに精神科・心療内科を受診するようにしましょう。

まずはうつ病について簡単に解説!

うつ病は、強い落ち込みが続き、やる気が出ない眠れないなどの心身症状が現れる病気です。脳のエネルギーが欠乏している状態を指しますが、はっきりとした原因はわかっていません。精神的あるいは身体的なストレスが原因で発症しやすくなります。

私たちの体には自然治癒力という機能が備わっているため、さまざまな不具合が起きてもその機能のおかげで回復へと導いてくれます。しかし、うつ病になるとこの自然治癒力が機能しなくなり、日常生活や社会生活にさまざまな支障をきたしてしまうのです。

厚生労働省の調べによると、「16人に1人は、一生のうちに1度はうつ病にかかる」といわれているほど身近な病気です。また、うつ病はよく「こころの風邪」とも言われていますが、風邪の症状ほど軽いという意味ではなく、誰にでも起こりえる病気だということを意味しています。

特にライフステージにおいて月経や、妊娠・出産、更年期など、ホルモンバランスが乱れやすい女性の方が男性より2倍もうつ病にかかりやすいといわれています。

参考:厚生労働省「うつ病とは」

参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

参考:うつ病の性差について

うつ病の5つの症状について解説!

1:悲しい気持ちになり喜びを感じない(抑うつ気分)
2:やる気が出ない(意欲低下)
3:不安や焦り・集中力の低下
4:無価値感・罪悪感・希死念慮
5:体調不良

ここでは、うつ病の方によく現れる5つの症状について解説していきます。

ひとつでも症状がある場合はうつ病の可能性があるため、早めに精神科・心療内科を受診しましょう。

関連記事:精神科・心療内科に行く基準を解説!診療に行くべきか迷った時はこれをチェック!

参考:厚生労働省「うつ病の主な症状と原因」

参考:厚生労働省「e-ヘルスネット」

1:悲しい気持ちになり喜びを感じない(抑うつ気分)

うつ病の代表的な症状に、悲しい気持ちになり喜びを感じない「抑うつ気分」があります。

何を見ても悲しくなり、ふとしたことで涙が出てしまったり、今まで楽しいと思っていたことも楽しめなくなったりします。

大好きだった趣味でさえ興味を示さなくなることが多いため、こうした気分が続くようなら早期に精神科・心療内科を受診しましょう。

2:やる気が出ない(意欲低下)

うつ病になると、やる気・意欲が消失します。ぼんやりすることが増え、口数が少なくなって下を向いて歩いていることも増えてきます。

また、洋服が好きで着るモノにこだわっていた方でも、着る服に無頓着になったり、今まで意欲的に仕事に取り組んでいる方でも、仕事がどうでも良くなったりして、意欲の低下が顕著に表れるのもうつ病の特徴です。

3:不安や焦り・集中力の低下

不安と焦り、集中力の低下もうつ病の症状といえるでしょう。

頭が回らなくなりミスが増えることで不安と焦りが起きるなど、こうした感情に揺れていると自分でも気付かないうちに疲労が蓄積するため、突然糸が切れたように動けなくなることもあります。

また、集中力の低下によるうっかりミスが増え、さらに気分が落ち込むという悪循環に陥ります。いつもはしないようなミスが増えていると感じたら、今手元にある仕事を一旦置いてでも、自分の状況についてゆっくり考えることが必要です。

集中力低下による事故をおこさないよう、車の運転をされている方は十分な注意が必要です。

4:無価値感・罪悪感・希死念慮

うつ病の症状が進むと、自分の存在する意味を考え始めたり、どんなことでも自分が悪いと考えてしまったりするなど、無価値感、罪悪感が起きるようになります。

また、さらに症状が進むと、自分の命を絶とうとする希死念慮まで起きてくることがあるため、周囲の方が注意して見守る必要が出てきます。

「もう何をやってもダメだ」「生きている価値がない」と考え始めてしまったら、周りの人に助けを求め、早急に精神科・心療内科を受診するようにしてください。

5:体調不良

うつ病は心の症状だけではなく、様々な体の症状も現れます。

食事が美味しく感じられない、あるいは食べ過ぎてしまう、胃腸の調子が悪い、吐き気がする、なかなか寝付けない、早朝に目が覚めてしまう、頭痛やめまいが起きるといった症状のほか、倦怠感や疲労感、肩こりなども出現します。

女性の場合は生理不順になったり生理が止まってしまうこともあります。

これらの体の症状が目立つと、心の症状に気付くのが遅れたりわかりにくかったりします。内科などを受診して検査をしても原因が見つからない場合はうつ病の可能性がありますので、精神科・心療内科を受診してください。

うつ病の症状別の3つの対処法について解説!

1:十分な休養を取る・環境調整をする
2:薬物療法
3:精神療法

うつ病の症状を治療する方法は3つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

参考:厚生労働省

1:十分な休養を取る・環境調整をする

まずはゆっくり休養しましょう。うつ病は脳のエネルギーが枯渇している状態ですので、心も体もしっかり休ませることが非常に重要です。

医師の診断によってはしばらく仕事を休んだ方が良いとされる場合が多いので、医師の指示通り仕事を休むようにしてください。

「仕事を休むと職場の人に迷惑がかかってしまう…」と心配する方が多いのですが、うつ病は心と体がひどく疲弊してしまっている状態ですので、休養をとらないと回復しません。何も考えず、目をつむってゆっくり休める環境に身を置くようにしてください。

また、引き続き仕事をしながら治療を行う場合は、ストレスの原因となる環境から離れるためにも職場での配置転換や労働時間の短縮といった環境調整も必要です。医師から診断書をもらったら、職場の方に相談してみましょう。

2:薬物療法

休養と環境調整と並行して行うのが、抗うつ薬や睡眠薬などを飲む「薬物療法」です。

うつ病を発症している方は、不眠や不安、抑うつといった様々な症状が現れます。

しっかり休養することが大切な時期に眠れないのはさらにストレスを引き起こしてしまうため、お薬の力を借りて眠れるようにしたり、抑うつ気分を安定させたりする目的があります。

クリニックによっては漢方薬を使うこともあるので、西洋薬に抵抗がある方は一度相談してみると良いでしょう。

3:精神療法

うつ病は、脳のエネルギーが枯渇しているだけではなく、もともと持っている性格(気質)や考え方のクセとストレス(環境変化)が組み合わされることで発症すると考えられています。

うつ病になりやすい性格(気質)として、義務感が強く自分に厳しい、完璧主義、凝り性、常に周りに気を使いすぎているなど、これらの性格を持っているがために、よりストレスを受けやすいといわれています。

また、家族や親しい人との死別、仕事や財産、健康など大切なものを失う、人間関係のトラブル、職場や家庭環境の変化などもうつ病の要因です。

精神療法は、休養と薬物療法に合わせてうつ病の改善や再発を目指すものです。

もともと持っている性格や考え方のクセを改善する認知行動療法や、今あるがままを指向し、不安にとらわれない生き方を目指す森田療法、対人関係のストレスを解消する対人関係療法が効果的だと言われています。

精神療法の実施においては、患者さんの症状によって時期や内容が異なるため、医師の指示に従って行いましょう。

詳しいうつ病の治し方は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事:うつ病の治し方・治療法を解説!私がうつ病を寛解した過程もお伝えします!

参考:厚生労働省:うつ病の認知療法・認知行動療法

参考:一般外来におけるうつ病に対する対人関係療法

参考:外来精神療法としての森田療法

まとめ

・うつ病は脳のエネルギーが欠乏・枯渇している状態
・16人に1人はうつ病になっている
・女性は男性の2倍うつ病になりやすい
・うつ病は、心と体の両方に症状が現れやすい
・うつ病は休養、薬物療法、精神療法で改善・再発を目指す
・自分自身のため、大切な人のためにも早めの受診を

うつ病は、心にも体にもさまざまな症状が現れます。

悲しい気持ちになり喜びを感じられない抑うつ気分、やる気が出ないといった症状から始まり、症状が進むと無価値感や罪悪感など、生きていることがつらいと思うようになってしまうのです。

うつ病は、16人に1人は一生のうちに1度はなると言われているほど身近な病気で、女性は男性の2倍うつ病になりやすいと言われています。

しかし、しっかりとした休養と薬物療法、精神療法で回復していきますので、自分自身のため、大切な人のために「うつ病かな」と思ったら早めに精神科・心療内科を受診されることをおすすめします。

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