「いつもと違う」「なんとなく違和感がある」と自覚していても、「まだ頑張れるはず」「これくらいで弱音を吐いちゃダメだ」と思いすぎて症状が悪化する人が多いです。
ふだんと異なる症状が現れている方は、ガマンせずに精神科・心療内科で相談してみましょう。精神的なつらい症状は、できるだけ早く治療を開始することが早期回復につながります。
この記事では、精神科・心療内科にいくべき目安やタイミングについて解説していますのでぜひ最後まで読み進めてみてください。
精神科・心療内科に行く基準や目安を症状別にチェック!
上記の画像のように、質問に答えて点数をつけ、18点以上なら精神科・心療内科を受診しましょう。
また、下記のようなポイントに気付いたら、精神科・心療内科を受診するタイミングです。ぜひチェックしてみてください。
ここでは、精神科・心療内科に行くべき基準や目安、タイミングを症状別にご紹介します。セルフチェックして不安に思っている方は、自身の症状と照らし合わせて来院するか検討してみてください。
1:眠れない・途中で目が覚める
疲れているのになかなか寝付けない、寝ても途中で何度も目覚めてしまうということはありませんか? 心の不調を抱える方の多くは眠れない、途中で目が覚めてしまう睡眠障害を併発しています。
睡眠障害はしっかりと睡眠が取れていないため、朝の目覚めが非常に悪かったり、朝からだるさを感じたりということも多いです。
・ベッドに入って30分以上経っても眠れない
・夜中に何度も目が覚める
・夜眠れないため、日中にひどい睡魔が襲ってくる
・少しの刺激で目が覚める
こうした症状がある場合は、精神科・心療内科を受診するようにしましょう。
また反対に、眠りすぎてしまう「過眠」状態の場合もありますので、いつもと睡眠の質が違ってきた、眠りが浅い状態が続いていると気付いたら精神科・心療内科を受診する目安といえます。
2:食欲不振・暴飲暴食
食欲は生命を維持する上で欠かせない欲求のひとつです。「食事を摂る気になれない」「お腹が空かない」という食欲不振の状態は生命の危機ともいえます。
食欲不振の原因は胃や腸の不調など、消化器の病気が原因で現れることがあるため、食欲が無くなると内科を受診する方が多いです。しかし内科では食欲不振につながる原因がなく、それでもまだ食欲不振がつづいている場合は、精神科・心療内科を受診する目安となります。
・何を食べても美味しいと感じない
・以前より少食になった
・周囲がビックリするほど食べてしまう
・周りに強く促されないと食べようとしない
このような症状があり、内科を受診しても原因がないと判明した場合は精神科・心療内科を受診するようにしましょう。
3:心の症状(ゆううつ・集中力や思考力の低下)
仕事がうまくいかなかった、恋愛に失敗したなど、気持ちが落ち込んだり元気が出なかったりすることは誰でもよくあります。それは病気とはいえません。
しかし、ゆううつな状態が2週間以上も続いている場合や、思考力・集中力が低下していると気付いた場合は精神科・心療内科を受診する目安です。
・何をしても気分が晴れない
・人目が気になって恐怖すら覚える
・以前のように仕事や趣味に集中できない
・思考力が落ちたような気がする
・些細な音や出来事にひどく驚く
・以前は気にならなかったことが気になるようになった
上記のような症状があらわれた場合は受診をおすすめします。
4:からだの症状(下痢や便秘を繰り返す・動悸や息切れがするなど)
過度なストレスがかかると、心だけではなく、からだにもさまざまな症状として現れることが多いです。ストレスによって自律神経のバランスが乱れてしまうことが原因です。
下痢や便秘を繰り返したり、めまいがするなど、内科や他科を受診しても異常が無いと診断された場合は、精神科・心療内科を受診する目安といえるでしょう。
・出勤する時刻になるとお腹が痛くなる
・下痢や便秘を繰り返している
・めまいがする
・人前に出ると動悸がしたり、冷や汗が止まらなくなったりする
・以前より疲れやすくなった
・原因不明の頭痛がする
・生理が止まってしまった
以上のような症状が続く場合は精神科・心療内科を受診しましょう。
5:周りの人から見た変化
この記事をごらんになっている方のなかには、患者さんのご家族の方もいらっしゃるでしょう。ご本人が「自分は何かおかしい」と認識できていない場合でも、周りから見てわかる変化もあります。
・休日でも家にこもって外出しようとしない
・口数が少なくなり、話す言葉もボソボソしている
・好きな趣味に没頭しなくなり、以前と比べて興味がなくなったようだ
・「疲れた」「だるい」という言葉とともに、ため息が多くなっている
・ふさぎこんで元気がない
・「誰かに監視されているような気がする」などと口走る
このような症状が見られた場合は、精神科・心療内科の受診を勧めてあげてください。
自分の心の不調に気付いていない場合や、おかしいと気付いていてもガマンをしている場合があるため、周りからそっと助け船を出してあげることで、救われることが多いです。
早く治療を開始すれば早期回復につながります。ご本人が受診をためらっているようなら、できればご家族や周りの方が付き添ってあげるようにしましょう。
私は重度のうつ病が原因で心療内科に診療に行きました!
筆者は重度のうつ病が原因で、心療内科を受診しました。
当時勤めていた会社の就業規則にある1年の休業期間を過ぎても病状が回復しなかったたため、私は退職を余儀なくされました。その原因は、上司が代わったことによる職場環境の変化と激務です。
やってもやっても終わらない仕事。以前の上司とは全く異なる指示のため、これまでのやり方が通用しなかったことに加え、新しい上司との折り合いが悪く辞めていく従業員がいたため、残った私たち社員にしわ寄せが来たのです。
最初はいつか楽になると信じて仕事をしていたのですが、ふと気付けば眠れなくなっていたり、食べ物の味がしなくなったり、耳が聞こえなくなったりしていました。
内科や耳鼻科を受診しましたが異常がなく、耳鼻科の院長から「精神科もしくは心療内科に行きなさい」と言われ、初めて自分の心と体が壊れていることに気付きました。
もともと楽天的な性格だった私は「まだ頑張れる」「これくらいたいしたことない」と思い込んでいましたが、気がつけば希死念慮を伴う重度のうつ病を発症していたのです。
わが家には当時、まさしく目の中に入れても痛くないほどかわいがっていた愛犬がいたため、入院だけはしたくないと精神科医に懇願したところ、「きちんと先生の言うとおりにお薬を服用して、定期的に通院してくれるなら」という条件で入院だけは免れました。
筆者の闘病期間は15年ほどになります。再発などもありましたが、現在ではほぼ寛解し、お薬の服用数も減ってきました。食欲が無くなった、眠れなくなった時点で気づいて精神科を受診していれば、もっと早く回復していたのではないかと思います。
この記事を読んでいる方が心の病に早期に気づき、精神科・心療内科を受診して早く回復されることを切に願っています。
精神科・心療内科に行くべきか迷った時点で相談しにいくのがベスト!
精神科・心療内科に行くべきか迷った時点で、もうすでに心とからだに何らかの異常を認知しているのではないでしょうか。
「おかしいな」「眠れないな」「食欲がないな」「気分が落ち込む」といった症状が現れたら、少しでも早く精神科・心療内科へ相談に行きましょう。早期に受診すれば早い回復が見込めます。
現在では、初診からオンラインでの診療を行うクリニックが増えてきましたので、忙しくても外出に不安があっても自宅から気軽に相談できます。
また、精神科・心療内科のなかには、夜遅くまで診療しているクリニックもありますので、お仕事帰りに通院したい方も便利でしょう。
ともしびクリニックでは、東京都外にお住まいで通院が難しい方を対象に、オンライン診療も行っています。保険証とご本人名義のクレジットカード、カメラとマイクが使用できる通信端末があれば診療可能です。
精神科・心療内科での診療の流れ
精神科・心療内科の初診は以下のような流れが一般的です。
・病歴や現在の症状など問診票に記入する
・問診と治療方針の説明
・処方箋がある場合はお薬を受け取り、次回の予約をして帰宅
問診では、現在の症状を医師に伝えたあと、薬物療法での治療なのか、漢方薬を選択するのか、心理療法を取り入れるのか、または薬物療法と心理療法をどちらも取り入れるのかなどを決めていきます。
クリニックによって治療方針が異なりますので、事前に公式サイトで確認しておくと安心です。
精神科・心療内科の初診の所要時間はクリニックによりますが、およそ30分から1時間程度です。時間に余裕をもっておきましょう。
まとめ
・眠れない、食欲がない、集中力が続かないといった症状が出たらすぐに精神科・心療内科へ
・下痢や動悸、頭痛など内科で異常がないと言われた心身の症状が出ても精神科・心療内科へ
・口数が少ない、ため息が多い、ふさぎこんで元気がないなど周囲から見た変化に気付いたら精神科・心療内科へ
・精神科・心療内科へ行くべきか迷った時点で相談するのがベスト!
今回は、精神科・心療内科へ行く基準、タイミングについて、筆者の経験を交えながらお伝えしてきました。
タイミング的には、精神科・心療内科へ行くべきか迷った時点で精神科医に相談するのがベストです。
早期に治療すれば回復も早い傾向にあります。「まだまだ頑張れるはず」「これさえ乗り越えられれば」とガマンせず、つらくなったらなるべく早く精神科・心療内科で相談してみましょう。