「最近、同じ色ばかり選んでしまう」「以前好きだった色に魅力を感じなくなった」
このような変化はありませんか?
色の好みは、心の状態を映し出す鏡のようなものです。特にうつ病では、暗い色や派手な色など、選ぶ色に特徴的な傾向が見られることがあります。
本記事では、うつ病の人が好む色とその背景にある心理を解説します。
心を穏やかにする色や、色以外に気づいておきたい心のサインについても紹介していますので、参考にしてください。
うつ病の人が好む2つの色とその心理
うつ病では、暗い色や派手な色など、特有の傾向が見られることがあります。
ここでは、その背景にある心理を解説します。
1:なぜか暗い色ばかり選んでしまう
うつ病になると、黒・灰色・濃紺といった暗い色を選びやすくなります。
これは外からの刺激を避けたいという無意識の防御反応であり、黒や灰色などの無彩色は心を乱さず「守られている」感覚を与えてくれるためです。
また、気分の落ち込みに寄り添う色として、自然に暗い色を選んでしまうこともあります。
そのほかにも、感情を表現する余力がなく、「目立たず、そっとしてほしい」という思いから無難な色に偏る場合もあります。
2:派手な色を好むケースもある
うつ病では暗い色を選ぶことが多い一方、赤や黄色など派手な色を身につける人もいます。
これは「落ち込みを隠したい」「周囲を安心させたい」という思いから生まれる心の鎧のようなものです。
責任感が強い人ほど無意識に明るい色で自分を奮い立たせ、人前では元気に振る舞おうとします。
色の好みの変化に隠された心理状態とは
色の好みが急に変わることは、心のエネルギーが乱れているサインかもしれません。
たとえば、明るい色が好きだった人が黒ばかり着るようになったり、逆にモノトーン派が突然カラフルな色を選ぶようになったりする場合です。
うつ病では「興味や喜びの喪失」が起こり、以前好きだった色にも関心を持てなくなることがあります。
そのため、色の変化は「心が休養や助けを求めている」という心理状態を映し出すバロメーターといえるのです。
心を穏やかにする色を3つの目的別に解説!
色には心を癒す力があり、身近に色を取り入れることで気分を整えられます。
ここでは、心を支えてくれる色を3つの目的に分けて紹介します。
気持ちを落ち着せる色
不安や焦りで心がざわつくときには、青や緑がおすすめです。
青は冷静さや知性を象徴し、混乱した思考をクリアにしてくれます。書斎や寝室に取り入れると効果的です。
緑は安心感や調和をもたらし、目の疲れを癒やすとされます。リビングなど家族で過ごす空間にぴったりです。
観葉植物やクッションなど、小物から取り入れてみましょう。
前向きな気分をサポートする色
エネルギー不足を感じるときは、オレンジや黄色が力を与えてくれます。
太陽を思わせる色合いが気持ちを温め、活力を引き出します。
オレンジは陽気さや社交性を促し、食欲も高めるため、食卓に取り入れると効果的です。
黄色は希望や喜びを象徴し、人との会話をスムーズにしてくれます。
ただし鮮やかすぎる黄色は刺激が強いので、小物でアクセントとして使うのがおすすめです。
安心感や優しさを与える色
孤独を感じたり、自分を責めすぎてしまうときは、ピンクや紫を選びましょう。
ピンクは幸福感や愛情を象徴し、自然と優しい気持ちや安心感をもたらします。
攻撃的な感情を和らげる効果もあるため、寝具やタオルに取り入れるとリラックスできます。
紫は高貴な色とされ、感性を豊かにし、心身を回復へ導くヒーリングカラー。創造性を高めたいときや瞑想におすすめです。
色だけじゃない?気づいてあげたい心のサイン
うつ病のサインは色だけでなく、表情や行動、言葉にも表れます。
次のような変化がある場合はうつ病の可能性があるので、精神科・心療内科の受診を検討しましょう。
目つきや表情の変化
うつ病になると目の輝きが失われ、「うつろ」「死んだような目」と見えることがあります。
視線を合わせなくなったり、下を向きがちになるのも特徴です。
心のエネルギーが尽きると表情も乏しくなり、無表情の状態になることがあります。
笑顔が減り、険しい顔つきが続くときは、心が限界に近づいているサインかもしれません。
行動やコミュニケーションの変化
「夢中だった趣味に興味を示さなくなる」「友人との集まりを断るようになる」といった好きなことが楽しめない状態は、うつ病の代表的な症状です。
飽きたのではなく、脳の働きが低下して「楽しい」と感じられなくなっています。
お風呂や着替えなど基本的な行動も億劫になりがちです。
LINEの返信が遅くなる、既読のまま放置が増えるといった変化も、コミュニケーションに必要なエネルギーが不足しているサインといえます。
口癖や言葉の変化
うつ病では認知の歪みが起きやすく、会話にネガティブな言葉が増えます。
「どうせ私なんて」「何をしてもうまくいかない」といった自己否定や、「疲れた」「もう終わりにしたい」といった気力の低下を示す言葉が繰り返される場合は要注意です。
特に「全部、私が悪い」といった過度な自己責任の言葉は、心からのSOSです。
こうした言葉を口にすることが増えたら、精神科や心療内科への相談を検討するサインと受け止めましょう。
まとめ
- ・うつ病の人は、黒や灰色などの暗い色を選びやすくなる傾向がある
- ・派手な色を好むのは「落ち込みを隠したい」という心理の表れかもしれない
- ・「以前と比べて色の好みが大きく変わったかどうか」が判断のポイント
- ・青や緑、オレンジや黄色、ピンクや紫などには、心を穏やかにする効果がある
- ・色の変化に加え、表情・行動・言葉の変化も心のSOSとして現れる
色や言動の変化に目を向けることは、心の不調をいち早く知り、対応するきっかけになります。
気になるサインが見られたときは、一人で抱え込まず、精神科や心療内科など専門機関への相談を検討してみてください。