フェイスラインの崩れをなるべく悪化させない対策
パナソニック株式会社が2018年に、30~40代女性109名対して行った「顔のエイジングサインの平均自覚年齢」に関する実態調査では、「フェイスラインが気になる」と答えた女性が最も多く、86%でした。これは顔のたるみによって輪郭がぼやけてきたといった悩みでしょう。
また、顔が老けていると自覚し始める平均年齢は33.9歳という結果となりました。実際に、初めて美容医療クリニックに相談に行く女性の年代は、30代以降から増え始めるようです。
ここでは、フェイスラインの崩れの原因と、なるべくご自身でフェイスラインの崩れを防ぐケアの方法をご紹介します。
1. 加齢によるフェイスラインの崩れの原因
フェイスラインの悩みは加齢によるものと、生活習慣によるものがあります。まず、加齢によってなぜフェイスラインが崩れるかの理由を見てみましょう。
1-1. 真皮層のコラーゲンとエスラチンの不足
人間の身体のタンパク質のうち約30%はコラーゲンで、肌内部の真皮には約70%を占めています。網目状のネットワークを作り、皮膚の強度を保つ組織として肌の弾力やハリを保っています。真皮のコラーゲンは、真皮で構造全体を支える役割を果たしていますが、コラーゲンだけの力では成しえません。コラーゲンをエラスチンが繋ぎ、ヒアルロン酸が隙間を埋めていきます。このことにより、しっかりとした土台を作られ、肌にハリや弾力が生れるのです。コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸、それらを生み出す線維芽細胞は、それぞれ関わり合って、ハリ、弾力、うるおいを保持しています。
しかし逆に言うと、加齢で線維芽細胞が衰えてコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸の生成が遅れると、肌ではハリや弾力が失われて顔がたるんでいきます。
0歳を100%と考えると、コラーゲン線維の割合は年齢を重ねるにつれて、右肩下がりに減少します。しかし、20歳を境にして急激に減少し、30歳の時点で半分以下にまで減少するのです。
1-2. 筋膜のゆるみ
加齢とともに、身体の筋肉と同じように、顔の筋肉も衰えます。20代では全く現れなかったたるみが、30代以降から急に気になってくるのはそのためです。
顔には表情筋と呼ばれる筋肉が約30種類以上あり、それらの筋肉はSMAS筋膜で覆われています。加齢と共に表情筋が衰え、同時にSMAS筋膜 ( 下記の図で筋肉の上にある「筋膜」のこと)もゆるんだ状態になります。
30代後半から気になり始める顔のたるみは、肌の土台である筋膜のゆるみが原因になっていることがほとんどです。一生懸命表情筋を鍛えて頑張るのも一つの手ですが、挫折してしまい、期待する効果が得られない方も多いのが実情です。このような場合、美容医療では、筋膜にアプローチしてたるみの引き締めを実現するHIFU(ハイフ)などが提案されます。
加齢によるたるみは上記の2つが原因ですが、加齢に関係なくたるみを進行させてしまうものもあります。次に、たるみの進行を遅らせるために日常生活で気を付ける点をご紹介します。
2. たるみを悪化させないために日常生活で気を付けること
2-1. 乾燥に気を付ける
加齢とともにコラーゲンやエスラチンが減少するとたるみにつながるとお伝えしました。そのため、特に空気が乾燥する季節は注意し、日ごろから保湿クリームなどで入念にケアしましょう。加齢によって、真皮層内の保湿成分のヒアルロン酸が減少するのを食い止めるにはなかなかセルフケアでは難しいため、内側から保湿をしたい場合はエステや美容医療を活用してみましょう。
2-2. 睡眠や栄養などの生活習慣に気を付ける
睡眠時間の不足、栄養の偏り、運動不足、タバコ、ストレスによって新陳代謝が乱れます。
新陳代謝は肌の生まれ変わりがあります。ターンオーバーがスムーズだと保湿機能が働き、一方、ターンオーバーが不安定で順調に行われないと保湿機能が衰えます。
2-3. .過剰なマッサージをしない
「マッサージでたるみを改善しましょう」というのを本やテレビで見聞きしたことがあると思います。顔にマッサージをすると確かに新陳代謝が行われるので、むくみが取れたり筋肉が動かしやすくなったりして、顔をすっきりさせることはできます。しかし、適切な方法でなされなければ、たるみを悪化させてしまうこともあります。特に、回数が多すぎたり力を入れすぎると、摩擦によって肌に負担がかかります。たるみどころかしわの原因になることもあるので注意しましょう。
2-4. 同じ表情ばかりしない
表情筋は、30種類以上の筋肉がお互いに作用しあい、人間の複雑な喜怒哀楽を表現します。コロナ渦でマスク生活が続き、あまり表情に気を遣わなくなった人が増えているようです。表情筋は20歳を過ぎると段々と衰えてくため、なるべく意識的に表情を動かすことが必要になってきます。
食事をする際も片方だけでモノを噛むと、片方だけ筋肉がついてバランスが崩れることもあるので、気を付けましょう。
2-5. 紫外線対策をする
紫外線のA波(UVA)は、真皮層まで届きます。肌にとってバネのような役割を果たしているコラーゲンやエラスチンだけでなく、それらを生み出す線維芽細胞にまでダメージを与え、しわだけでなくたるみも引き起こします。夏だけでなく、春、秋、冬も、曇りの日もしっかりと紫外線対策をしましょう。
さいごに
加齢にともなって、コラーゲンやエスラチンが不足し、皮膚を支える筋膜が衰えてきます。ご自身で化粧水をたっぷり浸透させてクリームで保湿をしても、皮膚の奥に届けるには限界があるということを美容の知識として知っておきましょう。
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PROFILE
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2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員
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