【ニキビ痕はなぜできる?】ニキビ痕治療について詳しく解説

みなさんこんにちは!FIRE CLINICです!

今回はニキビ痕の発生機序から治療の種類について詳しく解説していきます。

ニキビ痕は治療をしなければ半永久的に残ってしまうため、お悩みの方も多いのではないでしょうか?

幸いなことにニキビ痕にはさまざまな治療法があります!

早速解説していきます。

ニキビ痕の種類と発生機序

ニキビは毛穴の炎症ですが、症状がひどくなったり、長引くと跡が残ってしまいます。

ニキビ跡は、茶色く残る色素沈着、表面が陥凹になる萎縮性瘢痕、逆に隆起する肥厚性瘢痕、ケロイド状瘢痕などがあります。

萎縮性瘢痕はニキビ痕全体の約75%を占めており、その外観からアイスピック型、ローリング型、ボックスカー型の3つに分類されています。

アイスピック型は、幅が狭く(2 mm未満)、真皮深部または皮下組織にまで垂直に伸びる傷です。

ローリング型は、滑らかな浅い境界線を持つ窪みで、幅は約4~5mm程度です。これは、炎症によって新たに生じてしまった結合組織により皮膚が固定されてくぼみが生じることによって起きます。

ボックスカー型は、円形から楕円形、または長方形の、垂直方向のエッジがはっきりしたくぼみで、浅いもの(0.1~0.5mm)から深いもの(0.5mm以上)まであります。

肥厚性瘢痕は炎症部位でのコラーゲンの過剰生産により、隆起した硬いピンク色の病変が生じます。

肥厚性瘢痕は、顔面よりも体幹に多く見られ、肌の白い人よりも有色人種に多く見られます。

ケロイド状瘢痕は、肥厚性瘢痕と同じ場所に見られ、赤紫色の丘疹や結節として現れます。肥厚性瘢痕とは異なり、一般的には自然に改善することはなく、しばらくの間成長し続けます。

現在はさまざまなニキビ治療があり代表的なものについてそれぞれ解説していきます。

レーザー治療

レーザー治療には大きく分けてQスイッチレーザーとフラクショナルレーザー2種類あります。

Qスイッチレーザーは高エネルギーのレーザーを10億分の1秒単位という短時間で照射します。エネルギーは高いですが、照射時間が短いため周りの正常な組織へのダメージが少ないです。

フラクショナルレーザーとはドット柄状に表皮にレーザーを照射する方法で、レーザーのエネルギーの違いでノンアブレイティブフラクショナルレーザーとアブレイティブフラクショナルレーザーの2種類があります。

ノンアブレイティブレーザーは低出力のレーザーでお肌に刺激を与えてお肌を活性化させます。

ダウンタイムは短いですが、効果は他に比べて弱いですので繰り返しの治療が必要となってきます。

アブレイティブレーザーはノンアブレイティブレーザーよりも高出力のレーザーを使用して表皮に無数の小さな穴を開けます。お肌がその穴を修復しようとする創傷治癒力によってニキビ痕などを改善します。

どちらの方が効果が高いかというと、萎縮性範根に対する効果はQスイッチレーザーを用いた治療の方が1回の治療としての効果は高いですが、副作用の紅斑が長引いたり、色素沈着の発生率が高いというデメリットがあり、治療の間隔も長く取る必要があります。

一方フラクショナルレーザーはノンアブレイティブレーザーではQスイッチレーザーに比べて大きく劣りますがアブレイティブレーザーは3回の治療でQスイッチレーザー1回分と同等の効果が得られると言われていて、ダウンタイムや副作用はQスイッチレーザーに比べて軽いというメリットがあります。

マイクロニードル治療とフラクショナルアブレイティブレーザー治療を比較した研究では、3ヶ月後の評価でマクロニードルでは30%の改善率であったのに対し、レーザー治療では70%も改善しました。組織学的にもコラーゲンの増加が優位に高いという結果となりました。

レーザー治療は単独の治療よりもPRP(Platelet Rich Plasma=多血小板血漿)などと組み合わせて行った方が治療効果が高いということが実証されています。

マイクロニードル

マイクロニードル治療は、微細な針でお肌に直接小さな穴を無数に開けることで創傷治癒力を引き出します。その結果、組織の増殖、再生、そして数ヶ月間続くコラーゲンのリモデリング段階につながる成長因子を放出させます。

マイクロニードル治療にはダーマローラー、ダーマペン、ダーマスタンプなどさまざまな機器があり、状態に合わせて針の深さや移動の速度を調節します。

マイクロニードル治療に関しては多くの研究が行われており、ニキビ痕に対して効果があることが実証されており、副作用やダウンタイムが他の治療と比べてかなり軽いです。組織学的にもマイクロニードルを行うとコラーゲンが増加することが証明されております。

マイクロニードルもフラクショナルレーザー治療と同様にP R Pと併用するとより効果があります。マイクロニードルを用いてPRPを投与した群とプラセボ群を比較した研究ではPRPを投与した群の方が約1.5倍の改善率を認めました。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングは表皮層や真皮層を破壊することで、皮膚の剥離やリモデリングをもたらし、ニキビ痕を改善します。

深部(真皮表皮接合部)まで作用する表在性ピーリング剤と中程度の深さ(網状真皮の上部)まで到達するものがあります。

深部まで到達するピーリング剤を用いたケミカルピーリングとマイクロニードルと中等度のピーリング剤を併用した治療を比較した研究では深部まで到達するピーリング剤を用いたケミカルピーリングは1回の治療でマイクロニードルとピーリング剤の併用治療の4回分に匹敵する改善を認めました。

深部まで到達するピーリング剤は、感染症、色素異常、瘢痕などの有害事象の発生率が高いと言われています。

フラクショナルRF

フラクショナルRF治療はラジオ波を皮膚の深部に照射することにより、皮膚細胞内の水分が加熱され、熱によるダメージで創傷治癒反応が促進されるという治療法です。

その結果、コラーゲンの再構築、新しい細胞生成が起こります。フラクショナルレーザーと似ていて、表皮にドット柄状に微小な穴を開けます。

副作用としても、一過性の紅斑、乾燥、あざ、痂皮状のびらん、炎症後の色素沈着などレーザー治療と同様のものが見られますが、ダウンタイムがレーザー治療に比べて短いと言われています。

レーザーよりも効率的に真皮にエネルギーを伝えることができると言われていますが、他の治療法と比較されたエビデンスはありません。

フィラー局所注入

フィラー局所注入は、コラーゲンやヒアルロン酸を陥没した瘢痕に注入しボリュームを増加させ、瘢痕を目立たなくさせます。最近のフィラーは、施術に伴う痛みを軽減するために局所麻酔薬(リドカイン)が配合されています。

自分の線維芽細胞を培養して注入する自己細胞治療も今後期待されています。

手術療法

デルマパンチ手術、真皮切除術、ダーマアブレーションなどの手術などがありますが、現在はこれまで紹介してきたような低侵襲な治療法が普及したため、ほとんど行われておりません。

まとめ

いかがだったでしょうか。ニキビ痕は治療をしなければ半永久的に残り続けます。

しかし、さまざまな治療法がありますので諦めないでください!浅い傷であればケミカルピーリングが有効ですが、深い傷にはダーマペンやレーザー治療がおすすめです。

当院ではダーマペンの施術経験が豊富なスタッフが施術を行なっておりますので、是非当院での治療もご検討ください。

ファイヤークリニック

<参考文献>

1.Mccrudden, M. T. C., Mcalister, E., Courtenay, A. J., González-Vázquez, P., Raj Singh, T. R., & Donnelly, R. F. (2015). Microneedle applications in improving skin appearance. Experimental Dermatology, 24(8), 561–566. https://doi.org/10.1111/exd.12723

2.Sánchez Viera, M. (2015). Management of acne scars: Fulfilling our duty of care for patients. British Journal of Dermatology, 172(S1), 47–51. https://doi.org/10.1111/bjd.13650

3.Soliman, Y. S., Horowitz, R., Hashim, P. W., Nia, J. K., Farberg, A. S., & Goldenberg, G. (2018). Update on acne scar treatment. Cutis, 102(7).

PROFILE

江越 正敏
江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員

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