HIFU(ハイフ)はどんな人に向いている施術?HIFU(ハイフ)が向いている人、向いてない人を現役医師が徹底解説!

ハイフは、「30代を過ぎてお肌にハリがなくなった」「ほうれいせんが目立つようになった」と顔のたるみやしわが気になり始めた方が検討する施術で、「切らないフェスリフト」として皮膚にメスを入れることなくリフトアップ効果が望めます。

ハイフのメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。また、どんな人に適しているかや、副作用についてもご紹介します。

まずは2015年の韓国の論文を見ていきましょう。

この研究には、37〜75歳(平均52.3±13.9歳)の20人の韓国人患者(女性18人、男性2人)が含まれていました。HIFU 引き締め装置で配信されたショットの数は 420±59.1 でした。

治療後 3 か月で有意な改善が見られ、有効性は 6 か月間維持されました。しわと皮膚弛緩スコアの平均は、顎のラインと眼窩周囲の領域で最も減少しました。

Park, H., Kim, E., Kim, J., Ro, Y., & Ko, J. (2015). High-intensity focused ultrasound for the treatment of wrinkles and skin laxity in seven different facial areas. Annals of dermatology27(6), 688-693.

こちらの論文によると、3.0mm.4.5mmのカートリッジで治療しており、ショット数は420程度で十分といえるでしょう。有効性が最もあるのは、顎や口元、眼窩周囲と示しており、そちらは臨床医としても間違いないと思われます。

画像で見てみましょう↓

HIFU(高密度集束超音波治療)の前、3ヶ月、および 6ヶ月後の臨床写真

このように、口元や、ほうれい線が非常によく改善しています。

しかし、B-Cの写真をみて頂くとわかるように、少し3ヶ月が過ぎると口元のマリオネットラインが再度悪化してきています。3ヶ月から6ヶ月に1回の周期で繰り返し治療していく必要があります。

ハイフの特徴

ハイフは高密度焦点式超音波療法と呼ばれ、皮膚の中にある各層に対して熱エネルギーでアプローチする治療です。

カートリッジには1.5㎜~4.5㎜の深さのものがあり、カートリッジを使い分けながら、皮膚の様々な深さにターゲットを定めて治療していきます。

目周りについては1.5mmのみで、顎下、頬、首は3.0mm-4.5mmで患者様の肌の厚みに応じて使い分けます。

目周り以外の部位に関しては4.5mmが筋膜(SMAS層)を狙い、1.5mm-3.0mmで真皮深層〜脂肪層を狙い重ねて治療することも可能です。

HIFUについては、優先すべきはいかに筋層(SMAS層)を狙い、皮膚を引き締めていくかということが最も重要です。

それを基本にした上で、1.5mmなどの浅い層を狙うカートリッジを使用して、肌を綺麗にしていくような治療方法もあります。

1.5mmの層に対するアプローチは以下の論文で色素沈着への有効性が示されています。

モルモットに対し、皮膚表面から1.5mmを狙い、0.2 J/cm の出力で HIFU治療 を行った。2 週間後に、UVB(紫外線)による色素沈着が有意に減少していた。

Choi, S. Y., Yoo, K. H., Oh, C. T., Kwon, T. R., Choi, E. J., Seok, J., & Kim, B. J. (2016). High intensity focused ultrasound as a potential new modality for the treatment of pigmentary skin disorder. Skin Research and Technology22(2), 131-136.

1.5mmの層については、色素沈着を改善し、肌質を改善していく効果が認められています。

ハイフのメカニズムについてはこちらの記事で詳しく解説してます。

ハイフのメリット・デメリット

1.ハイフのメリット

まず最初に、ハイフのメリットを見てみましょう。

①傷跡が残らない

顔のたるみを改善する施術には、切開を伴う外科手術が今まで一般的で、メスを使うしかありませんでした。

しかし外科手術は切開した跡が残ることが避けられず、たるみ改善の手術は「怖い」と感じる方が多く敬遠されていました。

しかし、ハイフは、専用機器で超音波を照射するだけで、メスを使いません。体に傷跡をつけずにリフトアップを望めることから人気の施術となりました。

②フェイスラインがリフトアップする。

ハイフの一番の適用は、口元、ほうれい線、顎下です。

治療して3ヶ月ほどすると、かなり小顔になり、顔のもたつきや深いほうれい線、マリオネットラインが改善します。

2. ハイフのデメリット

次に、ハイフのデメリットです。

①痛みをともなう場合がある

クリニックで受けるハイフの場合、麻酔クリームを使用しますが、それなりのリフトアップ効果を得るには、高い出力数が必要です。出力数に伴ってチクチクとした痛みを感じることがあります。

※感じる痛みは、出力数や施術を受ける方によって異なるため一概に言えません。

②施術後腫れ、むくみ、赤みが出ることがある

照射した直後は赤みや腫れが出ることが多いと言われています。いつ頃落ち着くかどうかも個人差があります。しかし、現在コロナ渦でマスク生活が続いているため、このような副作用が気になる方にとっては施術を受ける良いタイミングです。

治療後には、一過性の赤みは20-40%程度の確率で起きます。ほとんどの方は2週間以内に改善しますので、赤みが出ても保湿を行い、紫外線に気をつければ問題ないことが多いです。

③効果は永久的でない

ハイフは照射直後からリフトアップ効果を感じやすい施術ですが、手術するわけではないので、その効果は永続的でありません。

ハイフの効果は、一般的に3ケ月~半年と言われているため、ほとんどのクリニックは3ヶ月~半年のスパンで施術をおすすめしています。ファイヤークリニックのハイフは効果が高く、半年は持続します。

④糸リフトやヒアルロン酸のように当日で効果が現れない。

糸リフトや、ヒアルロン酸注射は、治療した瞬間から顔が変わって、満足感があります。

逆に、HIFUや脂肪冷却などの治療は、当日はむしろ赤くなり、痛みもあるので、将来的に美しさを作っていこうという気持ちがないと、繰り返し治療するやる気を失ってしまう方もいらっしゃいます。

3ヶ月-半年毎にメンテナンスを行い、繰り返しHIFUを行っておくと顔が老けないで若々しさを保てます。美容が詳しい人が最終的にHIFUをメンテナンスで行なっている印象があります。

30代以上の方で、3ヶ月から半年に1回HIFUをする週間はとてもおすすめです。ファイヤー院長もやってます。

メリットだけなくデメリットも事前に知って、ご自身に合っている施術かどうか判断しましょう。

向いている人、向いていない人

向いている人

以下に当てはまる方は、ハイフの治療が適しています。

・目元のたるみが気になる方

・ほうれい線、マリオネットライン(口の両端から顎まで走っているシワ)

・引き締まったフェイスラインを実現したい方

・二重アゴが気になる方

・小じわが気になる方

・メスを使わないで本格的なリフトアップを希望する方

向いていない人

美容系のインフルエンサーの影響でハイフに興味を持つ人が増えていますが、下記の方にはあまり向いていないとされています。自分がハイフに合っているかどうか迷っている方はクリニックの医師に相談してみましょう。

①顔に脂肪があまりない人

ハイフは超音波で皮下脂肪のある箇所にアプローチするため、皮下脂肪の厚みがある程度必要です。

脂肪があまりにも少ないと他の組織にも影響を与えることから、施術が難しい場合があります。

元々フェイスラインがシャープで顔に脂肪の少ない人が、更に小顔にするために皮下脂肪やSMASまで照射すると、頬がこけて、老けて見えることもあります。

②SMASが緩んでいない20代

ハイフはある程度年齢を重ねた30代以降のたるみに効果を発揮するとされています。これは、ハイフがたるみの原因になっているSMAS層へアプローチすることができるからです。

20代の皮膚は、SMASがまだそれほど緩んでいません。

ハイフに備わっているSMAS層をターゲットにする深さ4.5mmへの照射は、30代のたるみに比べるとそれほど効果が期待できません。

人によって老化の進み具合や脂肪のつき方には違いがあるため一概に年齢では言えませんが、丸顔やフェイスラインのたるみが気になる20代の方は、深さ3mmの照射で十分とされています。

ファイヤークリニックにはハイフ以外にも施術を用意しておりますので、ご自身にはどの施術が向いているか、医師とカウンセリングした後に決めることをおすすめします。

③たるみ過ぎた皮膚

たるみ過ぎた顔には、ハイフはあまり効果を実感できない可能性が高いです。

たるみ過ぎてしまうとハイフではなかなかリフトアップを実現することができないため、他の選択肢として「フェイスリフト」という手術や、糸リフト(スレッドリフト)などがあります。

ご自身で判断せずに、まず医師のカウンセリングを受けて決めましょう。

ファイヤークリニック

治療中・治療後の痛み

骨に響くような痛みと、皮膚の下がチクチク刺されるような痛みがあります。

骨に響く痛みは、皮質骨による超音波吸収から生じる「熱反応」です。エステで受けたことのある方は「ハイフはそれほど痛くない」と感じていることも多いようです。

エステの施術、古いタイプのハイフの場合はそれほど出力数が出ないので痛みも軽減されますが、医療用のハイフは出力数が出せるため、効果を期待する方にはそれなりの痛みが伴います。しかし、これらの痛みは照射の角度や麻酔クリームを使用することで軽減させることができます。

ハイフの施術中の痛みは、骨に響く痛み、チクチクとした痛みがあります。施術直後は腫れと赤みが出ることがあり、筋肉痛のような痛みが発生することがあります。これらの痛みは時間の経過とともに改善していきますので、ご安心ください。

治療後に腫れやすい特徴というものがあります。それは、顔に脂肪が多い方です。ハイフはタンパク組織が熱変性を起こす過程で皮膚が引き締まっていくため、脂肪が多い方にはそれだけ影響があるということです。施術後に赤みや腫れが出てしまう方には医師から「リンデロン-VG」などの軟膏を処方してもらえるでしょう。

ハイフ照射後の過ごし方

ハイフ照射後は、肌がとても乾燥しやすくなっています。施術後~1ヶ月の間は特にしっかりと保湿をし、日焼け止めを塗って紫外線のダメージを受けないように過ごしてください。

効果はどのくらいの期間持つのか

コラーゲンの生成が活発になることによるハリやリフトアップは、施術から1ヶ月ほど経過するとだんだんと効果を実感します。ハイフは3ケ月の期間を空ければ次の施術を受けることができるため、通常のクリニックでは1年に1回~3回の施術が推奨されています。

ファイヤークリニックのハイフは、効果の出る器材を使用していることもあり、施術直後から最長6~8ヵ月持続すると言われています。

しかし、一度のハイフで永久的な効果を得ることは不可能です。

施術が受けられない方

持続期間が過ぎると、「また戻ってきた」と思うかもしれませんが、年齢には抗えません。「定期的にハイフを受けることでたるみが予防できる」と考えることも、美容医療と上手に付き合っていくコツとなるでしょう。

ハイフは肌質に関係なく受けていただける施術ですが、下記に当てはまる方は受けることができません。

・脂肪の厚みが非常に少ない方

・アトピー性皮膚炎の方
・授乳中・妊娠中の方
・施術箇所に金属が入っている方

気になる場合は、医師に相談してみましょう。 

HIFUの副作用について

HIFUの副作用としては、前述した、2015年の同じアジア圏である韓国の論文によると、

紅斑と腫れが6人、紫斑と青あざが2人でした。しかし、これらは永続的な合併症を起こすことなく 2週間以内に改善した。

Park, H., Kim, E., Kim, J., Ro, Y., & Ko, J. (2015). High-intensity focused ultrasound for the treatment of wrinkles and skin laxity in seven different facial areas. Annals of dermatology27(6), 688-693.

全体の40%に、2週間程度の副作用が残るとされています。

ひどい副作用ですと、瘢痕化し、治らない後になってしまうこともあります。

ですので、医師と看護師としっかり相談して、出力は上げすぎないことを意識して頂きたいです。

さいごに

ハイフのメリットやデメリットについてご説明しました。

メスを入れずに即効性を感じられるハイフは今とても人気です。ハイフに興味がある方は、事前にクリニックでカウンセリングを受けて「自分に適しているか」を理解した上で施術を受けましょう。当院では29,800円〜(税込)で治療可能です。予約枠が空いていれてばすぐに治療可能な場合もあるので、ぜひお問合せください。

ファイヤークリニック

youtubeでも解説しておりますのでぜひご覧ください!

PROFILE

江越 正敏
江越 正敏FIRE CLINIC総院長
2017年 佐賀大学医学部 卒業
2017年 都立松沢病院 勤務
2019年 都立多摩総合医療センター 勤務
2020年 FIRE CLINIC新宿院 開院
2021年 渋谷院、銀座院開院
2023年 新宿、渋谷、銀座、名古屋の4院に展開しFIRE CLINIC総院長を務める。
2024年 公益財団法人ルイ・パストゥール医学研究センター 再生医療研究室 特任研究員

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